パチ屋であった本当の話、南国育ち編(2)
(前回からの続き)
次にその問題の南国に座った人物は20代半ばの男性だった。
見た目は普通ですが明らかにおかしい。
まるで前に遊技していた人物が止めるのを見計らって座ったかの様な行動。
私が行うのはもちろんカメラチェック。
驚いたのはその直後にさっそく
“ドン!”大当り。
もちろんすかさず出動。
会話内容は
私 ”見えてるよ”
ゴト師 ”叩いてない”
私 ”いや、見たから”
ゴト師 ”そう見えただけだろ?なら見ておけば?”
何たる自信…、ですがここで言った言ってないを話てもなにも変わらない為、ここは冷静に対応。
私 ”次、叩いたとこっちが判断した瞬間に出玉は没収、即、退店してもらうから”
ゴト師 ”いいよ、そんなに心配なら横で見ておけばいいじゃん”
もうここまで来たら意地でもやってやろうじゃないか、って思いましたが、ここも冷静に。
私 ”そんな事しなくてもカメラで全部見えてるから、どアップで見とくよ”
そう伝え、またまたカメラチェック。
30分後、叩いている様子はない。
が、大当たりが終わらない、、、
何故だ!?何故なんだ!?
これはおかしいと判断した私はすかさずゴト師の元に。
ゴト師 ”ね、何もしてないでしょ?”
私 ”いや、おかしい”
ゴト師 ”見てたんじゃないの?”
私 ”…”
その会話の最中の事でした。
私はいつも間にかイカツイごろつき数名に囲まれている。
ゴロツキA ”店員さーん、この台空いたら次俺に打たせてね”
ゴロツキB ”なんで張り付いてるの?”
これはヤバい、ただものではないと感じた私がとった行動は、
私 ”この台は、この後止めるんで、誰も打てないですよ”
悔しい、一体何が起こったのかわからない。
ただ、長年働いているからこそわかる。
こいつらは普通じゃない…。
するとゴロツキ達が騒ぎ始めた。
ゴロツキ達 ”おいおい、そりゃねぇだろ!ずっとまってんだよ俺たちはよぉ!”
その瞬間に確信しました。
この台は何かある、自分にはわからない何かがある、と。
直ぐにインカムを飛ばし機種情報を集める様指示した私、あとはこのゴロツキ達を追い返すだけ。
と、その前にその最中にも黙々と遊技し、出玉を伸ばしているこのゴト師を何とかしないと。
もう周りには構ってられない。
とりあえずヤジは無視し、こいつを追い出す。
そう決心しました。
するとそれを悟ったかの様にこのゴト師が話かけてくる。
ゴト師 ”店員さん、なんかすごい事なってるから言うけど、本当に俺は何もしていないよ。ってか、見える範囲では何もしていない。ただ、忠告しておくけどこいつらはやるよ。だから打たせない方がいい。”
もう一体何の事を言っているかもわからない。
頭をフル回転させるが最善策がでない。
実際にこのゴト師は何もしていないのだ。
ただ…、大当たりが止まらない。
私 ”わかった、もう何も言わない。ただ…堪忍してくれ…”
ゴト師 ”…、何もしてないのに?”
私 ”もう十分だろ、これ以上抜く(玉を)ともっとややこしい事になって長引くだけだぞ、わかるだろ?”
その時すでに玉は8000玉に到達していた。
ゴト師 ”いや、わかるけど、その後こいつらが抜くなら俺が抜くに決まってんじゃん”
私 ”10000発まで抜かせてやる。それにこの台はあんたが止めたら即止める。誰にも打たせない。だからもうやめてくれ。堪忍してくれよ。”
ゴト師 ”わかったよ、そこまで言うなら。ついでにこいつら(後ろのゴロツキ)が何をしようとしているか教えてやるよ。その変わり、一回は叩くよ?”
そういうとゴト師は私にゴトの手口を語り、実践し始めた。
どつき、タイミング打ち、枠上げ。
どれも見事に大当り…。
ゴト師 ”はっきり言って、この台は欠陥品だよ、いまのは誰でもちょっと練習すればできるゴト。だけど俺がしているのは別。もう止めるけど、ほっておけばこの台、50000発までは出るよ。もしくはもう閉店まで止まらないか(笑)…”
嘘じゃない、こいつが言っている事は嘘じゃないぞ…。
私 ”ならあんたのその手口を教えてくれ、基盤か?”
ゴト師 ”違うよ、どこの店のこの機種ならできる、ただ初めに…これ以上は言えない。”
ゴト師 ”あと一つ言っておくと、その後ろのゴロツキに今なんか混ざってるけど、年配の人は俺の師匠で元梁山泊だから”
もう本当になにがなんだかわからない。
そして玉は10000発を超え、やっとの思いで悪魔の南国育ちを稼働停止状態にする事ができた。
が…、そこからが大変。
数名のゴロツキが騒ぎ出す。
ゴロツキA ”おいおい、そりゃねぇだろ、打たせろよ!”
ゴロツキB ”あいつだけ抜かせて俺たちは無しか!?組んでんのか?”
私 ”はい、言いたい事はお好きにどうぞ。ただ、もうこの台は稼働停止、今から稼働する事はない。来週入替なんでそこで撤去も今決めた。”
もう何を言っても無駄だと判断したのか、ゴロツキ達はぶつぶつ言いながら退店していった。
こういうやつらは案外、素直である。
ある意味、自分達の立場をよくわきまえているのかもしれないし、そういう奴らの行動マニュアルがあるのではないかと思うくらい、文句や受け応えも不思議と同じだ。
(パート3へ続く)
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